趣味プログラマによるOSS開発日誌

趣味で作っているOSSソフトウェアの紹介や関連技術の紹介、楽曲製作、Webデザイン勉強状況を紹介します。

SHIROBAKOのOP『COLORFUL BOX』と『宝箱-TREASURE BOX-』のコード進行を比較してみた

アニメ自体は見ていないのですが、SHIROBAKOの1クールと2クールのオープニングがよく似ていたので比較してみました。

 

『COLORFUL BOX』 (SHIROBAKO)

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BPM:161
key(調):F(ヘ長調
作曲者:カヨコ
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始めて聴いた時、非常に前向きな曲だなと思いました。

そして聴いた瞬間にハッペルベルのカノンと似ているなと思いました。

key=Fなので、平和的な感じのする曲調ですね。

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[Aメロ]

| I | IV | V | VI |

| I | IV | V | VI |

良くある王道進行が二回続いています。歌詞と合わせてみると、これから目標に向かって頑張るぞという意気込みを感じます。

コードも上昇進行で、こちらも元気が出てきてしまいます。

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[Bメロ]

| IV | IVmM7 | III | VI |

| II | I / III | IV | IV / C |

詳細はTREASURE BOXで。

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[サビ]

| I | V | VI | III |

| IV | III | VI | VII | V |

| VI | V | IV | III |

| IV | III | VI | II | III |

始めて聞いた時にハッペルベルのカノンに似てると思った理由がここにありました。

JPOPでよく使われているカノン進行ですね。

後半はカノン進行を少し崩した感じになっていますが、飽きさせないためでしょうか。

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『宝箱-TREASURE BOX-』

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BPM:162
key(調):Eb(変ホ長調
作曲者:カヨコ
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COLORFUL BOXのような明るさがなく、どちらかというと何か壁にぶつかって乗り越えていくような印象があります。

key=Ebは真剣な様子を表すような曲調になりやすいので、締め切り間近でプロジェクトが佳境に入っているのを伝えたいのでしょうか。

時々演奏されるアコーディオン(?)が良いですね。少し重い印象のあるこの曲の中で癒しの効果があります。

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[Aメロ]

| I | V | VI7 | III |

| IV | III | VIb7 | V |

| VI7 | V | IV | III |

| IV | III VI | II V7 | Isus4 |

はい、カノン進行ですね。カノン進行は特徴的で非常にわかりやすいです。

COLORFUL BOXと同じようにカノン進行を使うことで、2曲間の関係性を出しています。

また、2回目の1小節目はIVとなっていますが、Iと同じと考えてよいでしょう。

最後はツーファイブからのドミナントモーションですね。

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[Bメロ]

| IV7 | IVmM7 | III7 | VI7 |

| II7 | III7 | V | Vsus4 |

COLORFUL BOXのBメロとコードが良く似ています。Aメロと同様、あえて似せることで2つの曲の関係性を出したかったのかもしれません。

個人的に1,2小節のコード進行がなぜこの形をとっているのか知りたいところです。この部分かっこいいです!

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[サビ]

| IV7 | V | III | VI |

| II7 | III7/V | VI7 |

出ました王道進行!アニソンなどのJPOPを聴いてるとよく出会うコード進行ですね。

最近楽曲分析したゲーソン・アニソンだと、

などなど、例を挙げたらきりがないくらいたくさん使われています。

ヒットしたJPOPにも多用されているので、日本人が本当に好きなコード進行なのでしょうね。

後半は分数コードが使われていて、ツーファイブとなっています。

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作曲者・BPM・使われているアニメが同じで、タイトルも似ているためでしょうか。

曲の雰囲気が似ていますし、使われているコード進行も似ています。

特にどちらの曲もカノン進行を使っているところがポイントですね。カノン進行というと明るさと暗さが交互にやってくる印象があるので、作中にも壁にあたってそれを乗り越えたりするストーリー展開があるのかもしれません。(視聴していないのでわかりませんが。)

しかし似ているといっても、調が半音変わるだけで曲の雰囲気が変わるところが面白いですね。

 

アニソンの楽曲解析していると、アニメの内容を曲で表現するために色々な方法が取られていることが多く、分析していて非常に楽しいです。コード進行だったり使われている楽器だったり、歌詞だったりと表現の方法は作曲者によって様々です。

アニソンって世間ではあまり評価されないところもあります。しかし私が作曲したいと考えているゲームBGMのように、BGMが流れるシーンに合う曲を作るという意味でアニソンの楽曲分析は非常に参考になります。

作曲の上達のためにも、楽曲分析は続けて行きたいですね。