趣味プログラマによるOSS開発日誌

趣味で作っているOSSソフトウェアの紹介や関連技術の紹介、楽曲製作、Webデザイン勉強状況を紹介します。

Blenderをソースコードからビルドしてみました

オープンソースの3DCG制作ソフトBlenderソースコードからビルドしてみました。

Blender自体はアドオン開発でよく触っていましたが、今まではリリースされたものを使っていたので、ソースからのビルドは今回が初めてです。
 
なぜソースからビルドして使うという面倒なことをやるかですが、ソースからビルドすると以下のようなメリットがあります。
  • モディファイア向けのPython APIが公開されていない、モディファイアを開発することができる
  • Blender本体で改善できる部分に手を加え、コミュニティにフィードバックできる
  • 3DCGソフトの内部処理を詳しく知ることができる
  • 英語に触れる機会を増やせる
簡単にまとめると、Blender本体の開発者・アドオン開発者・CG作成者などで活発なBlenderのコミュニティに対して、さらに多く貢献できることが一番のモチベーションでしょう。
今まで行ってきたアドオン開発で海外のBlenderのユーザと出会い、作ったアドオンに対するフィードバックをたくさん得られたので、Blenderのコミュニティは個人的に気に入っています。
そして作って終わりだったソフトが、Blenderのコミュニティでフィードバックされてどんどん成長していくことが新鮮で非常に面白かったです。
また、3DCGソフトの内部処理に興味があり、これまで特定のOSSコミュニティにて集中して取り組んだことが無いので、1つでも気に入ったコミュニティにフィードバックしたいという思いもありました。
 
こんな感じでアドオンでコミュニティに貢献してきた私ですが、やはりBlender本体の修正が必要なことを望んでいるユーザってそれなりに多いようです。
そこでアドオンだけでなくBlender本体も理解して修正も出来るようになれば、さらにコミュニティへフィードバックできるのではないかと思い、最初の取っ掛かりであるBlenderのビルドを行なってみました。
ビルドの手順は公式のWikiを参考にしています。

Dev:Doc/Building Blender/Windows/msvc/CMake - BlenderWiki

 

ただし手順があっても簡単にいかないのが世の常で、Wikiの手順でうまくいかなかった部分もいくつかありました。

詳しくはQiitaなどで今後記事にする予定ですが、詰まった部分を今後Blenderをビルドする人のために書き残しておきます。

  • CMake
    必ずCMakeのGUIで作業を行うべきです。
    CUIからもCMakeを実行できますが、依存関係でビルドに失敗してしまったので、CMakeに詳しくない方はGUIを利用すべきです。
    さらに、WITH_BUILDINFOのチェックボックスを外しておかないと、ビルドがうまくいきませんでした。
  • 環境変数
    GitSVNのパスを正しく設定しないとビルドに成功しません。
    またPython関連の環境変数も正しく設定しないと、ビルドには成功するもののBlenderが異常終了してしまいますので注意が必要です。
 いくつか詰まりはしたものの、Visual Studio 2013で何とかビルド&デバッグ実行することが出来るようになりました。
ビルド成功の記念としてブレークポイントを設定し、ループカットを実行してプログラムを一時停止させている画像を貼ってみます。
 

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